鈴鹿最高峰の御池岳(1247m)に登ってきました。
山々の中にどっしりと台形の大地(テーブルランド)が鎮座している山で、空中庭園を歩いているような気分になる感動の雪山登山となりました。

<コースタイム>※白瀬峠から先、真ノ谷直登(冬季ルート)です。
7:13簡易パーキングふじわら=7:28白瀬峠登山口=9:10中部電力鉄塔=10:32真ノ谷ー白瀬峠分岐=12:20ボタンブチ=12:55御池岳=13:44天ケ平(カタクリ峠)=14:56コグルミ谷登山口=16:06国道306冬期ゲート=16:26簡易パーキングふじわら

1、御池岳冬季登山ルートについて

無題
冬季は国道306号線が冬季閉鎖されます。
ということ考えられるルートは3つ。
  • 白瀬峠ルート(木和田尾)…長め。後半は冬季ルート(真ノ谷かたテーブルランド直登)
  • コグルミ谷ルート…閉鎖された車道を5キロ歩く。登山道は最短。
  • 鈴北岳経由ルート…車でのアクセスが遠い。(滋賀県側から回り込む)
今回は三重からアクセスするため、白瀬峠→コグルミへの周回しました。

2、木和田尾根を上る

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ルートも決定し、今日のスタートは簡易パーキングふじわらです。

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朝日に照らされる中、車道に沿ってしばらく北上します。
左手にこの看板が見えたら左折。

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白瀬峠登山口に到着です。

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しばらくは谷沿いに登っていきます。岩も混じっておらず登りやすい感じ。

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木和田尾根に上がると少しだけ雪が出てきました。ここからは大好き尾根歩き♪

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次第に雪が増えてきましたが、流石メジャールート、トレースは十分。
雪も程よくしまってて、坪足でも歩きやすい。

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R201鉄塔を通過。

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少し進むとトラバースに入ります。
この辺りは雪が固く数㎝しか足が沈まないので滑るんじゃないかと地味に怖かった。

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気が抜けないトラバース区間が続きます。

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小尾根乗越を通過。

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やっとトラバースから解放!谷を渡ったら白瀬峠に取り掛かります。

3、白瀬峠からテーブルランドへ

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そんなわけで、白瀬峠に到着。
真ノ谷に降りるコースは破線ですが、トレースがしっかりついています。

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木々の間からは、目的地であるテーブルランドの南端が見えました。
これからあれをまっすぐ登るわけですが、その前に下る下る…

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少しずつ雪が深くなってきました。

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白瀬峠から約120mの下り、真ノ谷に到着。さ、登り返しますか。

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ここからのトレースは一つに定まっておらず自由に登るみたいです。
テーブルランドを見上げると、すぐそこに山の上端が見えるような気がしますが、登っても登っても上端に近づけません。

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前方の景色は当てにならないので、時々振り返って標高を確認します。
凹んだところに一本の針葉樹がある辺りが先程いた白瀬峠。まだ長いですね。
なんたって290mの登り返しです。

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延々と続くかと思われる急斜面。なんというか雪山登山らしい直登です。
雪質的には、程よく沈み、踏めば締まる、坪足でも安定する良いコンディションでした。

4、雪原広がるテーブルランド

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最後まで緩むことの無い急坂を上がりきると突然開けた大地が広がりました。
テーブルランドに到着!

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テーブルランドでは至る所にカルスト地形の特徴が見られました。
こちらはドリーネ(凹んでいるところ)。

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カレンフェルト(石柱群)。

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果てしなく広がる雪原の先には、山でもなく、麓の景色でもなく、空が広がってます。
そのせいで、ここは空に浮かんだ島なんじゃないかという錯覚に陥る。
とりあえずテーブルランドを東から西に横断しましたが「凄い凄い」と感動が止まらない。

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道はなく、広い雪原を自由に歩けます。御池目指してテーブルランドを北上!

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道中、ヤマップで取り上げられることが多い「青のドリーネ」を探します。
うーん…、ドリーネ多すぎて分からない問題。

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と思ったら、突然、想像以上に大きな青のドリーネ✨が!
天候条件が重なると窪みが青く見えるそう。今日の天気だと白のドリーネ。

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次は御池岳手前にあるボタンブチを探します。ここかと思ったら無名の崖でした。

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といわけで、御池岳はまだまだ先です。

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しばらく歩くと一本の木の近くに登山者さんが集まっていました。

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立ち止まって東側を見ると、視界いっぱいに広がる雪原と、御池~1241峰の稜線。
ここが奥ノ平でしょうか。とにかく広くて圧倒されるばかり。

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そして、その瞬間、さーっと雲が流れて、純白の樹氷と青空。
もうなんか言葉を失うって表現がぴったりな景色の変化でした。

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探していたボタンブチも発見。

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ボタンブチから振り返るテーブルランドの先端。雲ノ平みたい。

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西側にはT字尾根(手前)と三角の天狗堂もばっちり。

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ボタンブチからは1241峰向かう方々もいましたが、自分たちはこのまま北上し御池を目指すことに。

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御池岳に登頂!頂上自体は木々に囲まれた静かなピークでした。

5、コグルミ谷と長い国道歩き

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帰りは夏場の最短コースであるコグルミ谷ルートで下山します。

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鈴北岳との分岐をコグルミ谷方面へ。

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八合目。単独の方とすれ違い、トレースが確約したことにちょっと安心です。

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コグルミ谷ルートは登りで使う方が少ないようで、今日のトレースは先程の方1名分でした。
下山利用は自分たち以外にも2パーティーはいたので冬季は時計回り周回が多いのかな。

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7合目を通り過ぎ、天ヶ平(カタクリ峠)に到着。右手は白瀬峠につながる稜線です。
ここで問題発生。コグルミ谷へのトレースや道しるべが見つからず、取り付き点が見つからない…。

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幸いなんとなく地形が捉えられるし、GPSも夏道を大きく外れているわけではない。
コグルミ谷ルートは谷の右岸を上るコースなので、トラバースしながら右岸に渡ることに。

しかしこれが試練でした。
コグルミ谷は下から風が吹き上がるようで、粉雪が舞い上がる。
その雪の下には、風で冷やされたのかカチカチの氷が隠れている。

アイゼンを付けた方がいいと気づいた時には、ザックを下せるような状況ではありませんでした。途中、20mほど上部に取り付き点と思われる看板を見つけますが、凍結した斜面はツボ足でのぼるには余りにも急…。右岸に乗り上げるまで坪足でトラバースし続けるしか道は残されていません。

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何とか合流した後も強い緊張はなかなか解けませんでした。
緊張を引きずったまま、所々凍結した急な登山道を慎重に下ります。
五合目についた辺りでやっと一息。無事でよかった!!

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登山口が近づくにつれ、岩が目立つようになってきました。

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タテ谷との分岐。

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ここまでくるとほとんど雪もありませんが、道が細かったり、谷を高巻してる箇所があったり、地味に気を使います。
コグルミ谷という名前といい、リスがたくさん生息しているという前情報といい、もっとのどかな道のりを想像してたんですけどね…。

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何はともあれ無事に登山口に到着です。
「陥没箇所があるので注意」って終わった後に知る大事な情報。

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御池岳山行も終了!と言いたいところですが、ここからは舗装路歩きです。
閉鎖された国道を5km、簡易パーキングまで2kmと、計7km
いつぞやの武甲山も登山口まで6km歩きましたが、それを越える長い舗装路歩きでした。

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冬季は国道が閉鎖されるため、夏と比べて長丁場になってしまう御池岳。
しかし、雪をまとったテーブルランド散策はとにかく感動の連続。
あのどこまでも雪原が広がる圧倒的なスケールは、実際に歩かないとわかりません。
というわけで、御池岳の魅力を存分に味わうには雪山の時期がベスト!そう〆たいと思います。