福井県の山、荒島岳(1523.49m)に登ってきました。
関東に住んでた頃から「荒島は雪がいい」と聞き、冬に登りたいと切願していた山です。

新雪たっぷり、天気は荒れ気味の荒島岳に、体はバテバテ、心は折れ折れと、心身ともにしんどい山行になりましたが、白銀の森、笑うしかない直登、真っ白な稜線、登頂の瞬間と、感動の瞬間もたくさんあって、次こそは晴れた時に登りたいと思ったのでした。

<コースタイム>※途中でラッセル含みます。
8:00勝原登山口=11:00シャクナゲ平=13:45荒島岳=16:25勝原登山口

1、スキー場跡地を登る

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久々の遠征登山。朝の7時、勝原登山口からおはようございます。
駐車場では登山者のためか除雪作業が行われていました。
そんなに客も多くないのにありがたいことです。
立派なトイレは安定の冬季閉鎖です。

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トイレの右には登山ポスト。電話ボックスタイプです。

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一年ぶりの冬靴、アイゼン、ワカン、ピッケルのフル装備で出発です。
視線の先には、駐車場に到着した瞬間からずっと気になってる綺麗な斜線。
まさか登山道じゃないよね…?

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しかし、そういう期待は裏切られるのが山である。
この辺はスキー場跡地であるようで、先程の斜線はゲレンデでした。
しょっぱなから地味につらい登りです。

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折り返してもまだまだ続くゲレンデ。
ボードでは短く感じるゲレンデも、足で登ると長いんですね。

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この部品が見えたらリフト終点跡です。少し開けた空間になっています。

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スキー場(跡地)てっぺんからの景色。田んぼが真っ白でした。

2、シャクナゲ平まで白銀の森を登る

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ここからは樹林帯となり、やっと山道という感じです。

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荒島岳まで3km。
今日は短いなぁなんて思ってました、この時は

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スノーモンスターみたいな奴にはしゃいだり、

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新雪のふわふわした感触に感動したりしつつ登ります。

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青空が見えてきた!

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積雪量はしだいに増えてきます。よく乾いてさらさらな雪質。
踏み抜きも増えてきたのでワカンを装着です。

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急坂を上りきると、しばらくは緩やかなスノーハイク。

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ブナには霧氷がつき、白銀の林となっていました。

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雪の花が咲いたかのようなブナ林。
枝の形がはっきり残る樹氷は繊細なガラス細工みたい。

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次第に積雪量も増え、雪は膝下ぐらいになりました。

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穏やかなブナ林は一変。シャクナゲ平の直前は急坂となります。試練の開始。

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乾いた雪は固まる気配がなく、進む度に足元が崩れるので登りにくい。
一歩進むごとに、慎重に体重をかけて、雪から足を抜いて…と体力をもってかれる…!

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シャクナゲ平は、樹林に囲まれた解放感のある広い空間。
ついた瞬間、登りから解放された喜びも合わさって思わず雪の上に倒れこみました。

3、もちがかべの直登と頂上までの稜線

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まだまた続く荒島登山。シャクナゲ平の奥の樹林帯に入ったらすぐに左の尾根へ。
樹氷でリボンが見えないので注意です。
雪が吹きたまるのか、腰骨まで埋まりつつ少々下ります。

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軽く登り返すと、右斜め前に大きなピークがそびえてました。

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よく見るとその中腹に先行者が取りつくのが小さく見えます。
どうやらラッセルしているようですが…四つん這いで登ってる?

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ピークを左にトラバースして直登…って、斜度がえぐい!
しかも滑落したらどこまでも落ちていくような地形です。
(※夏道はピークを右側から巻くように登ります。こっちの方が安全。)

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覚悟を決めてとりつきます。
足元は相変わらず乾いた雪で、ステップを作っても体重を掛けると簡単に崩れます。
しかも一度踏み外したら足元の雪が崩れるばかりで止まれない。
もう手で体重を支えるしかないので、ピッケルを根本まで刺して手掛かりにしながら登ります。
これは四つん這いになるわけだ。

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久々の失敗できない高所に、アドレナリンが出て興奮状態。
無事に稜線に登りきると、トレースはなく、先行者さんがラッセルしていました。
先行者さんがラッセルしながら進む後ろをついていかせて頂きます。

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稜線の樹氷は、繊細さを失い、びっしりもこもこ。

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ラッセルする先行者さんに皆がつながっていくので遠足みたいな光景でした。

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そのうちに木々のある一帯を抜け、何もない真っ白な稜線となりました。
左は雪庇ができてるので注意。

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すでに体も心も疲労困憊。やっとの思いで中荒島岳です。
あとどのくらいかなぁ…って、さっきの直登(もちが壁)から半分しか来てないの!?
時刻は13時をまわり、いつリーダーからタイムアップを告げられるかひやひやです。

4、ほぼホワイトアウトな登頂

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時間に加え、頂上が近づくにつれて天候は悪化。風とガスがひどく、視界も真っ白です。
近づかないと地形の把握ができないレベルで、自分たちだけだったら撤退を考えるレベル。
しかし、先行者さんは迷いなく、直登と九十九折を使い分けつつ進んでいきます。荒島の達人だ。

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仲間から少し離れると姿がかすむ。もはやほぼホワイトアウト…。

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先が見えず、見通しが建たない状況に、心も体も限界に近いです。
進んでも進んでも、長い稜線とピークが続くような気がする。
先行者さんに離され黙々と作っていただたトレースを辿ります。

と、しばらくして先行者さんが引き返してきました。まだピークが見える気がする。
ここまで来てタイムオーバーかと、内心泣きそうになきつつ「撤退ですか?」と尋ねます。
すると「いえいえ、すぐそこですよ」と励ましてくださる先行者さん。

もう一つピークを登れば終わりかと覚悟を決めて歩き出すと、10mほど進んだところに膝ぐらいの高さの木の棒が刺さってました。仲間が「着いたよ」と声をかけてくれて、「え?山頂?ここ?」と、一瞬儒教が読み込めない私。

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足元に刺さっている棒を読むと「日本百名山 荒」と書いてあります。
リーダーがスコップで掘り返してくれました。登頂できたんだ!!
展望は皆無だけど、ここにたどり着けた証である標識が愛おしく、静かに感動です。
1キロにも満たない稜線歩きだったけど、すごく長く感じる稜線だった…と、感傷に浸っていると、


……ビュウウウウウウウウウウウ!!!!

強風が吹き荒れ、一気に下がる体感温度。
指先が冷たいを通り越して痛い!耳がちぎれそう!頬が凍る…!
凶悪な寒さに生命の危険を感じ、急いで引き返しました。
そうだ、雪山って痛いほど寒かったんだ、と思い出す。

樹林帯に戻れば風と寒さも落ち着きました。
危険なもちがかべの直降も、先行者さんが開いてくださった夏道のトレースを通り安全に通過。後は急いで下山するのみです。
駐車場に着くころには16時半となっていました。
コースタイムは6時間未満のの山ですが、今回は8時間30分。
改めて、雪山は長いなぁと思いました。

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念願の雪の荒島岳。
景色は残念でしたが、先行者さんのトレース開拓、ラッセルにより無事登頂できました。
先行者さんの力がなければ登れなかったと思うので、幸運に恵まれた、本当に感謝してもしきれない山行となりました。