花崗岩による白く華やかな稜線が広がる鳳凰山に登ってきました。
どこを鳳凰山とするかは諸説ありますが、オベリスクの地蔵岳、最高峰の観音岳、砂地広がる薬師岳と、3つを合わせて鳳凰三山と呼ばれているので、全部登っておけば間違いない。
そんなわけで、マイカーでアクセスできる青木鉱泉からの左回りで周回してきました。

こちらは一日目、青木鉱泉~地蔵岳~鳳凰小屋の記録になります。

<コースタイム>
●一日目
8:00青木鉱泉=9:59南精進ヶ滝=10:56鳳凰の滝=12:20白糸の滝(昼休憩)=13:31五色滝=14:45鳳凰小屋15:45=16:42地蔵岳17:37=18:10鳳凰小屋(泊)
●二日目
5:56鳳凰小屋=7:26観音岳7:50=8:16薬師岳=11:33中道登山道入口=12:20青木鉱泉

1、旅の始まり、青木鉱泉

仙丈ヶ岳や北岳と並んで、南アルプスデビューにもってこいの山として紹介される鳳凰山。
山頂の華やかなイメージが強いですが、ここも南アルプスの山でした。

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鳳凰山に登るにはいくつかのルートがありますが、今回は青木鉱泉から。
さっそく南アルプスあるある「登山口の標高が低い(1090m)」という特徴を発揮しているのですが、急遽決めた行先なのでそんなことに気付きません。

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駐車料金は1泊1500円。青木鉱泉は立派な日本家屋でした。
建物前の広場に登山ポストあり、外トイレ(水洗)ありです。

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広場の左手からドンドコ沢登山道へ。
ここの定石は、上りはドンドコ沢、下りは中道。
上り中道はトラウマ必至。大多数に従って左回りがお勧めです。

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道中には、遊園地の遊具みたいな工事用のモノレール。

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大規模工事中でう回路が敷かれていました。
登山道に合流したら、鳳凰山アタック開始です。

2、ドンドコ沢で滝巡り

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登山道に合流した途端、一気に山中らしくなるドンドコ沢登山道。
前日の雨の影響か、至る所で道に水が張っており、さっそく泥々になりました。

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ペイントにはひっそりとにこちゃんが。

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最初は緩やかですが、高原地図曰く「ジグザグ道」に差し掛かると、本日第一の試練。
なかなかえぐい斜度の登山道を先行者がどこまでもジグザグと登っています。
霧がかった林に光が差し込んで幻想的だなぁ(逃避)

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途中振り返る。この斜度、雪山で直登する時の斜度だよ…。

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トラバース道も、踏み外したら転がり落ちそうな斜度です。

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苦しみのジグザグ道を越えると、苔むした岩の上を水が流れ落ちていました。

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光が差して緑眩しいドンドコ沢。

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秋なのでキノコが豊作。キノコにも高山キノコとかあるんだろうか。

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少し進むと滝を経由するか否かの分岐。
もちろん経由ルートです。簡単なロープ場をこなすと1つ目の滝、南精進ヶ滝に到着。
二段になっていてなかなか立派!

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道はすぐに合流し、再び上を目指します。
ドンドコ沢登山道といいますが、思ったより沢は見えません。基本奥多摩です。
それでも、時々、小川の渡渉があるのがいいスパイスになっています。

次の滝、鳳凰の滝は、最終分岐からピストン。
メインルートから外れるのでパスする人も多いのでしょう。
倒木があったり、藪が茂ってたり、片側が落ちてたり、若干荒れ気味です。

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樹林の中、どこまで登山道から外れるんだと思ってると沢に出ました。

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ということで滝めぐり二つ目、鳳凰の滝
崖の両側から流れる滝が羽を広げる鳳凰に見える気がしますね!

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登山道には、鳳凰の滝の入口が二ヶ所あります。最終分岐からこちらに通り抜けることも可能。
それにしても滝まで5分はちょっと詐欺な気がする。

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そして、鳳凰滝~白糸滝は「ジグザグ道」その2。予想してた通り、しんどい区間です。
しかも、1つ目のジグザグ道と違って、岩と根が多いし、木々に遮られて終わりが見えない。

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急坂を上り切ると、ようやく3つ目の滝、白糸の滝。ここは嬉しいことに登山道のすぐ傍。
白糸というので繊細なイメージでしたがなかなか豪快な滝です。
すれ違った登山客の言葉「水量が多くてタコ糸だな」が強烈に印象に残った滝でした。
白糸の滝直後も、ジグザグ道の急坂の名残がありますが、徐々に緩やかになっていきます。

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樹林帯が続くなか、久々の渡渉をすると、五色の滝の分岐に到着です。
どっちも「五色の滝」どういうことなんだ。
山道って書いてあるし、とりあえず下の標識に従おう…

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ちょっとずつ森の雰囲気が変わってきたような気がします。奥秩父みたいな。

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広場に出ると、最後の滝、五色滝への分岐です。
なかやか急な道を下っていくと、木々の間から大きな滝が姿を見せました。

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これは大きい!落差が大きいせいか滝つぼがなく、滝の真下まで入れます。
見上げると、空から大量のが水が降ってくる。
その圧倒的な姿に、疲れも吹っ飛び、感嘆の叫びが漏れました。

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流れも一定でなく、水の塊が落ちてくる感じが大迫力の五色滝。
滝つぼ付近は水飛沫と風がすごいですが、是非びしょびしょになりながら滝の偉大さを感じるべき!
ドンドコ沢滝めぐり、素晴らしいフィナーレでした。

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…と、まるで、完結したようですが、まだ登りが残ってます。
南アルプスあるある「長い樹林帯」

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ずっと樹林帯なので足元の鮮やかなキノコしか話題にするものがない。

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と思ったら、開けた場所にでました。白い道がすーっと続く、庭園のような空間。

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穏やかに沢が流れていたり。
ここだけ時間の流れが違う、天国のような空間でした。

そして再び、深い樹林帯に突入。静かな林の中にガヤガヤとにぎやかな声が聞こえてきたら鳳凰小屋に到着です。

3、樹林帯の中のオアシス鳳凰小屋

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深い樹林帯の中に突然現れる鳳凰小屋。

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本館で受付をしていると、奥に談話室が見えました。
人が多くて入る勇気がなかったけど、炬燵があっていい雰囲気。

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鳳凰小屋は、樹林に囲まれた空間に、本館、別館、トイレ棟、冬季小屋、水場…と複数の家屋が建っており、まるで小さな町のような山小屋です。
外には長いテーブルが複数あり、多くの登山者が宴会をしていました。
とにかくにぎやかでいい雰囲気!

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今回の宿泊は別館。部屋の中は2段になっており、布団2枚に3人。掛布団は人数分でした。

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すぐ近くには大混雑のテン場。満員になると山小屋泊をお願いされる模様。
テン場の傍にはトイレ棟。足ペダル式の洋式トイレで、においはありますが、清潔でした。

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こちらは水場。水量豊富、南アルプスの天然水!
山小屋の食器や鍋が並べられたりして、生活感があるのがまた素敵です。
消灯もその時の雰囲気で決めるというゆるーい感じで、この日は19時45分でした。

さて、ここで今日の旅路を終えてもいいのですが、鳳凰小屋からは観音岳への近道があります。
ということで、明日は近道を使うことにし、今日中に地蔵岳をピストンすることにしました。

4、鳳凰山のシンボル、オベリスク

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空身になって向かう地蔵岳。鳳凰小屋は2380m、地蔵岳は2764m。
もう山頂も近いというのに、樹林帯を抜ける気配がない、それが南アルプスクオリティー。

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しばらく登ると、木々も疎らになってきて、真っ白な砂地になりました。

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長い長い樹林帯をついに抜けた…!!って、斜度えっぐ!

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樹林帯を抜けたそこには、天空に向かうビーチが広がっていました。

純白のビーチ♪と感動するところかもしれません。山の上なのに海辺みたい♪と面白がるところかもしれません。
しかし、ふっかふかで踏ん張りがきかず、一歩進むと半歩ずり落ちるような砂地。
すでに1500m近く登った所にこの登り……ここは砂地獄か…。

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地蔵岳のシンボル、オベリスクはすぐそこに見えています。
しかし、なかなか上がれません。まさかこんな試練が待ち受けていると思わなかった。
高原地図は「急な坂」とでも書いておくべきだと思う。

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ちなみに翌日振り返った地蔵岳。まさしく直登。つらかったはずです。

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なんとかその頂につくと、地蔵岳だけにお地蔵さまが迎えてくださいました。

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松とお地蔵様。

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右手には登山者なら一度は名前を聞いたことがあるであろうオベリスク。
地蔵仏とも、鳳凰のくちばしともいわれる鳳凰山のシンボルです。
とにかく巨大な岩ですが、そこに登るクライマーさんもいるそうです。

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砂地獄で体力をもってかれましたが、岩場は別腹♪
一般登山者なので安全に登れるとこまで行ってきます!

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振り返ると赤抜沢ノ頭。観音岳への縦走路ですが、近道利用の場合は登らないピーク。

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オベリスクの根元にも地蔵様がいらっしゃいました。

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GPSでの2764m地点には手作りの看板。

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オベリスクの北側に展望台っぽい場所があったので行ってみる。
ここから見るオベリスクは鋭くてかっこいい。

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オベリスクの周囲を1周して、賽の河原へ下山。
岩の陰には向かい合うお地蔵様がいました。

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そして有名な賽の河原。
オベリスクといい、吹き曝しの稜線に佇む大量の地蔵様といい、なんとなく現実離れした雰囲気の地蔵岳でした。

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ちなみに頂上標識は、賽の河原にあります。
曇天だけど、地蔵岳はこれはこれで雰囲気が出ている気がする。

…と、何だかんだ山頂で1時間遊んでいたので、帰りは日没を迎える樹林帯を歩くことになりました。
ナイトハイクを経験してても、一気に暗くなるこの時間帯は焦燥感に駆られます。こんな時に限って、にぎやかな声が聞こえたと思ったらキツネに化かされたなんて作り話をふと思い返したり。
なんとか真っ暗になるギリギリで鳳凰小屋に到着。鳳凰小屋の広場は相変わらず食事や宴会で盛り上がっていて、ほっとしました。


二日目に続きます。