秋に向けて岩場の感覚を取り戻すべく、中央アルプスの宝剣岳に行ってきました。
雨に好かれる2018年夏山登山。
登山前日「朝9時には晴れる」という予報を信じて菅の台駐車場にて車中泊です。
菅ノ台駐車場は水洗トイレは完備。バス停横にはロープウェイ付きの乗車券が購入できる窓口があります。バス始発時刻より販売開始時刻の方が早いので、担当を分けて並ぶのがおすすめ。
そんなこんなで朝4時前。昨年のお盆はバス停に列が形成されていましたが、しとしとと雨が降る中、誰も並ぶ気配がなく……。5時過ぎ、登山者がパラパラと並びだしました。
雨量によっては途中で引き返すというバスのアナウンスにヒヤヒヤしつつ、無事にしらび平に到着。始発のロープウェイに乗り替えてあっという間に標高2600、千畳敷駅です。
観光客も利用するので高山なのに水洗トイレがあるという贅沢仕様。雨が止むのを期待ししばらく待機します。
しかし無情にも小雨は降り続く。これ以上良くなりそうにないので腹をくくって出発です。
昨年「あっちは(レベル的に)行けない」と言っていた極楽平方面へ。
稜線に上がるまでは、つづら折りの緩やかな登りで、いいウォーミングアップになりました。
極楽平に到着。
雨風が冷たくどんよりしていて、由来は知らないけどとても極楽な雰囲気ではない……
極楽平から少し歩くと三ノ沢岳との分岐があります。
ここから先は破線ルートの宝剣岳南陵。
岩の間でひっそり雨宿りしていらっしゃった仏様に安全祈願して出発です!
南陵に足を踏み入れると、早くも今日のメインディッシュ、岩稜帯になります。
難易度は岩場の濡れ+1、ガスによる高度感-1で、±ゼロってとこでしょうか。
幸いにも角ばってザラザラした岩で、足をついた途端つるっといくことは無さそう。
久々に滑ったら死ぬ系の登山に体の芯がざわざわします。
でも、足場と鎖がかなり整備されてるので意外とすいすい登れる。
1つ問題があるとすれば、雨に濡れた岩と鎖がとても冷たい。手袋出しとけばよかった。
鎖場の間に水平移動区間があるので、かじかむ手をこすって温めます。
下りの鎖場が登場。極楽平から北上すると下りの鎖場はここだけです。
岩のトンネルをくぐって、
稜線を歩いて…。岩場の感覚を思い出してきて楽しくなってきた!
有名なお立ち台、トロールの舌に腰かける。
上から見るとこんな感じで意外に広いですが、雨なのでハラハラでした。
そこから少し岩場を登るとあっという間に宝剣岳山頂です。
もうちょっと長くてもいいのにな、なんて思う。
宝剣岳と言えばこのお立ち台。やっぱり一番高いところを踏んどかなきゃね!
1年で成長したのか、去年は怖くて常に顔が引きつってましたが、今年は笑顔で登れました。
え?ガスってるせいだって?
満足したので北へ抜けます。
北稜の核心部はこの頂上直下のトラバース。逆に、ここさえ越えればあとは簡単な岩場です。
通り抜けた感想としては、同じ破線なのに南と北で難易度が違いすぎる。
南稜は気軽に行っちゃ駄目と言われるのも納得です。
ただ、岩場慣れしてるなら南稜は楽しくておすすめ。感覚的には両神山八丁に少し高度感が付け足されたぐらいで、剣の練習とかによさそうな岩場でした。
ぼんやり天狗岩が見えたら宝剣山荘に到着です。
本日のメインデイッシュを終えて、デザートのつもりで巻き道を通って木曽駒ヶ岳へ。
観光客も来る山だからか巻道には「難所あり」「危険」と書かれててますが、登山者ならまず大丈夫。
頂上山荘に到着。アイスクレープが人気らしいですが今日は寒いのでパス……
ゆるゆる登ると木曽駒ヶ岳神社。鳥居が新しくなってました。
木曽駒ヶ岳登頂!
去年写真を撮った頂上の石碑は、標識と一緒に三角点の側で倒れてました。切ない…。
せっかくなので、往復はせず、帰りは馬の背からの池巡りすることにしました。
ほんのり色づきはじめる山肌。
ハイマツ帯では、所々にホシガラスが松ぼっくりを食べた形跡が残っていました。
なだらかで広い稜線で、馬の背っぽくないなぁと思っていると、巨大な岩のガレ場が登場。
そして、すーっとガスが晴れたと思うと……
目の前にアルプスらしい稜線が!
振り返ると少し黄色が混じり始めた山肌と宝剣山荘。
まさかの晴れに大興奮です。そのおかげか、かじかんでた指もようやく血が巡ってきました。
友人命名、モアイ岩。……うーん?
西駒との分岐についたら、稜線を外れてトラバース道を歩きます。
登り返しが気になる程度には下って下って、濃ヶ池に到着。
上から見たときは微妙でしたが、下から見ると山を写してなかなか綺麗でした。
砂地に浅く池が張っていて砂漠のオアシスっぽい雰囲気です。
池を見守るお地蔵さん。
池とは言いますが、水の流れがあるので、それもまたいい感じ。
誰もいなくて静かな時間が流れていました。
のんびり休憩し池の端まで来ると、登山道の続きはなんと沢の上でした。
15㎝程の深さでギリギリ飛び石を頼りに下りられましたが増水してたらやばかった。
沢を歩いたら、再びトラバース道。
花畑がありました。
登り返しが始まると木のはしごが連続。このはしご、よくしなります…。
開けた場所に乗り上げると駒飼ノ池に到着です。
中岳がかっこいい。
そして目の前には宝剣山荘が見えました。あと10分ぐらいかなぁ。
…と、思ったら、つづら折りでゆっくり標高を上げてくので20分ぐらい掛かりました。
池付近は晴れてましたが、木曽駒や宝剣岳は相変わらずガスの中。
冷たい風が吹く乗越浄土に到着したら、あとはカールを下るだけです。
本日が初木曽駒の友人もいるのに、千畳敷カールが一度も見えてないのが残念でたまらない。
せめて岩でも楽しもうとオットセイ岩を探しつつ下ります。
友人命名、割けるチーズ岩。モアイといい、さっきからセンスが迷子です。
そして本命、オットセイ岩。
ここもしっくり来ないなぁと思いましたが、帰って調べると、雪の加減によって尾びれが強調されてオットセイに見える模様。
なんとなく消化不良のまま、鳥と一緒に下山します。
と、突然の奇跡が。晴れたーー!!
千畳敷カール、いただきました!
極楽平方面は、黄色交じりのグラデーションの奥に宝剣岳南陵。
最後まで宝剣は見えなかったけど今日の天気でここまで見えたら十分です。
すっかり満足してお腹もすいたので、下山後はしらび平でわさびコロッケを買いました。
わさびの味はしませんが、風味がフワッと香って美味しかったです。
**
一年ぶりの木曽駒ヶ岳。宝剣岳のスリルはもちろん、濃ヶ池を巡る道が変化に富んでいて嬉しい誤算でした。人も少なく静かな時間を楽しめるのでお勧めの周回コースです。
木曽駒ヶ岳に行く途中にあり、初級者でも楽しめると、宝剣山荘からピストンされることが多い宝剣岳。
この1年で少しは岩場に慣れたので、宝剣岳南陵から北稜に抜ける周回をしてみました。
この1年で少しは岩場に慣れたので、宝剣岳南陵から北稜に抜ける周回をしてみました。
昨年、展望がマシな時に、ポピュラーコースを往復した記録はこちら↓
<コースタイム>
7:24千畳敷駅=7:49極楽平=8:55=10:05頂上山荘=10:33木曽駒ケ岳=12:30濃ヶ池=13:22駒飼ヶ池=13:56乗越浄土=14:45千畳敷駅
1、千畳敷から極楽平へ小雨山行
前置きにさらっと昨年は展望がマシだったと書いてみましたが、想像の通りです。雨に好かれる2018年夏山登山。
登山前日「朝9時には晴れる」という予報を信じて菅の台駐車場にて車中泊です。
菅ノ台駐車場は水洗トイレは完備。バス停横にはロープウェイ付きの乗車券が購入できる窓口があります。バス始発時刻より販売開始時刻の方が早いので、担当を分けて並ぶのがおすすめ。
そんなこんなで朝4時前。昨年のお盆はバス停に列が形成されていましたが、しとしとと雨が降る中、誰も並ぶ気配がなく……。5時過ぎ、登山者がパラパラと並びだしました。
雨量によっては途中で引き返すというバスのアナウンスにヒヤヒヤしつつ、無事にしらび平に到着。始発のロープウェイに乗り替えてあっという間に標高2600、千畳敷駅です。
観光客も利用するので高山なのに水洗トイレがあるという贅沢仕様。雨が止むのを期待ししばらく待機します。
しかし無情にも小雨は降り続く。これ以上良くなりそうにないので腹をくくって出発です。
昨年「あっちは(レベル的に)行けない」と言っていた極楽平方面へ。
稜線に上がるまでは、つづら折りの緩やかな登りで、いいウォーミングアップになりました。
極楽平に到着。
雨風が冷たくどんよりしていて、由来は知らないけどとても極楽な雰囲気ではない……
極楽平から少し歩くと三ノ沢岳との分岐があります。
ここから先は破線ルートの宝剣岳南陵。
岩の間でひっそり雨宿りしていらっしゃった仏様に安全祈願して出発です!
2、宝剣岳の岩稜を南から北へ抜ける
南陵に足を踏み入れると、早くも今日のメインディッシュ、岩稜帯になります。
難易度は岩場の濡れ+1、ガスによる高度感-1で、±ゼロってとこでしょうか。
幸いにも角ばってザラザラした岩で、足をついた途端つるっといくことは無さそう。
久々に滑ったら死ぬ系の登山に体の芯がざわざわします。
でも、足場と鎖がかなり整備されてるので意外とすいすい登れる。
1つ問題があるとすれば、雨に濡れた岩と鎖がとても冷たい。手袋出しとけばよかった。
鎖場の間に水平移動区間があるので、かじかむ手をこすって温めます。
下りの鎖場が登場。極楽平から北上すると下りの鎖場はここだけです。
岩のトンネルをくぐって、
稜線を歩いて…。岩場の感覚を思い出してきて楽しくなってきた!
有名なお立ち台、トロールの舌に腰かける。
上から見るとこんな感じで意外に広いですが、雨なのでハラハラでした。
そこから少し岩場を登るとあっという間に宝剣岳山頂です。
もうちょっと長くてもいいのにな、なんて思う。
宝剣岳と言えばこのお立ち台。やっぱり一番高いところを踏んどかなきゃね!
1年で成長したのか、去年は怖くて常に顔が引きつってましたが、今年は笑顔で登れました。
え?ガスってるせいだって?
満足したので北へ抜けます。
北稜の核心部はこの頂上直下のトラバース。逆に、ここさえ越えればあとは簡単な岩場です。
通り抜けた感想としては、同じ破線なのに南と北で難易度が違いすぎる。
南稜は気軽に行っちゃ駄目と言われるのも納得です。
ただ、岩場慣れしてるなら南稜は楽しくておすすめ。感覚的には両神山八丁に少し高度感が付け足されたぐらいで、剣の練習とかによさそうな岩場でした。
ぼんやり天狗岩が見えたら宝剣山荘に到着です。
3、木曽駒ヶ岳へ
本日のメインデイッシュを終えて、デザートのつもりで巻き道を通って木曽駒ヶ岳へ。
観光客も来る山だからか巻道には「難所あり」「危険」と書かれててますが、登山者ならまず大丈夫。
頂上山荘に到着。アイスクレープが人気らしいですが今日は寒いのでパス……
ゆるゆる登ると木曽駒ヶ岳神社。鳥居が新しくなってました。
木曽駒ヶ岳登頂!
去年写真を撮った頂上の石碑は、標識と一緒に三角点の側で倒れてました。切ない…。
4、馬の背を通って池巡り
せっかくなので、往復はせず、帰りは馬の背からの池巡りすることにしました。
ほんのり色づきはじめる山肌。
ハイマツ帯では、所々にホシガラスが松ぼっくりを食べた形跡が残っていました。
なだらかで広い稜線で、馬の背っぽくないなぁと思っていると、巨大な岩のガレ場が登場。
そして、すーっとガスが晴れたと思うと……
目の前にアルプスらしい稜線が!
振り返ると少し黄色が混じり始めた山肌と宝剣山荘。
まさかの晴れに大興奮です。そのおかげか、かじかんでた指もようやく血が巡ってきました。
友人命名、モアイ岩。……うーん?
西駒との分岐についたら、稜線を外れてトラバース道を歩きます。
登り返しが気になる程度には下って下って、濃ヶ池に到着。
上から見たときは微妙でしたが、下から見ると山を写してなかなか綺麗でした。
砂地に浅く池が張っていて砂漠のオアシスっぽい雰囲気です。
池を見守るお地蔵さん。
池とは言いますが、水の流れがあるので、それもまたいい感じ。
誰もいなくて静かな時間が流れていました。
のんびり休憩し池の端まで来ると、登山道の続きはなんと沢の上でした。
15㎝程の深さでギリギリ飛び石を頼りに下りられましたが増水してたらやばかった。
沢を歩いたら、再びトラバース道。
花畑がありました。
登り返しが始まると木のはしごが連続。このはしご、よくしなります…。
開けた場所に乗り上げると駒飼ノ池に到着です。
中岳がかっこいい。
そして目の前には宝剣山荘が見えました。あと10分ぐらいかなぁ。
…と、思ったら、つづら折りでゆっくり標高を上げてくので20分ぐらい掛かりました。
池付近は晴れてましたが、木曽駒や宝剣岳は相変わらずガスの中。
冷たい風が吹く乗越浄土に到着したら、あとはカールを下るだけです。
5、千畳敷カールを一望
真っ白でよく見えない中カールを下ります。本日が初木曽駒の友人もいるのに、千畳敷カールが一度も見えてないのが残念でたまらない。
せめて岩でも楽しもうとオットセイ岩を探しつつ下ります。
友人命名、割けるチーズ岩。モアイといい、さっきからセンスが迷子です。
そして本命、オットセイ岩。
ここもしっくり来ないなぁと思いましたが、帰って調べると、雪の加減によって尾びれが強調されてオットセイに見える模様。
なんとなく消化不良のまま、鳥と一緒に下山します。
と、突然の奇跡が。晴れたーー!!
千畳敷カール、いただきました!
極楽平方面は、黄色交じりのグラデーションの奥に宝剣岳南陵。
最後まで宝剣は見えなかったけど今日の天気でここまで見えたら十分です。
すっかり満足してお腹もすいたので、下山後はしらび平でわさびコロッケを買いました。
わさびの味はしませんが、風味がフワッと香って美味しかったです。
**
一年ぶりの木曽駒ヶ岳。宝剣岳のスリルはもちろん、濃ヶ池を巡る道が変化に富んでいて嬉しい誤算でした。人も少なく静かな時間を楽しめるのでお勧めの周回コースです。
コマウスユキソウが稜線にさくころは
たのしいです
濃が池もしずかでしたか?
紅葉のころは とても 美しいですよ♪
是非 次回は 木曽駒から 空木への縦走に挑戦してみてくださいね
しずかで 良い山ですよ~