3日目後半と4日目、雲ノ平~薬師沢小屋~折立の記録です。

1日目、折立~薬師岳~薬師峠キャンプ場はこちら
2日目、薬師峠キャンプ場~黒部五郎岳~三俣山荘はこちら
3日目前半、三俣山荘~鷲羽岳~水晶岳~雲ノ平山荘まではこちら
3日目後半と4日目、雲ノ平山荘~薬師沢小屋~折立はこちら

1、雲ノ平散策と薬師沢への下り

DSC00878
縦走3日目延長戦。13時前、雲ノ平山荘を後にし薬師沢へ向け出発です。
この先エグい下りが待ってるそうですが、暫くは雲ノ平散策。

雲ノ平には8つの庭園があります。
雲ノ平山荘に来るまでに祖父庭園とギリシャ庭園は通ってるはずなんですが、気づかなかった…。
というわけで道中の2つを紹介です。

DSC_0041
まずは奥日本庭園。
……うーん、私の乏しい感性だとどこが日本なのかちょっと難しい……

DSC_0043
次の庭園に向けて木道を進みます。

DSC_0044
岩と池塘。庭園以外にも様々な景色を見せてくれる雲ノ平。
一日掛けてのんびり散策とかも楽しそうです。

DSC_0046
こちらがアラスカ庭園。あ!ここは、後ろの木がアラスカっぽい

ここからは下り。雨に濡れた滑りやすい木道が続きます。
あまりにも綺麗に滑って気づいたら木道に座ってて、何が起きたか分からず笑ってしまった。

DSC_0047
木道がなくなったらエグい下りの始めです。
角が取れた岩がゴロゴロしていてこれまた滑りやすい。
さっきは笑いごとで済みましたが、ここで滑ったら捻挫骨折しそう。

DSC_0049
エグイよエグイ~と笑いが込み上げてくる下りが続きます。
意識を飛ばしたいけど他事を考えてると滑るので、できる限り集中せざるを得ず、エグい下りを心ゆくまで味わえました。
とにかく長いです。緩くなることを知らない道です。雨や時間が精神的に追い詰めにかかってきます。

DSC_0050
足か震えて荷物と体重を支えられなくなってきた頃、眼下に小屋を発見。
しかし、喜んだのもつかの間、最後の最後に長い梯子。もう勘弁してくれぇ。

DSC_0051
梯子を降りると高天原と雲ノ平直登の分岐です。温泉マークがかわいらしい。
それにしても本当に直登だった。登ってきてた人を尊敬するわ……。

さて、下った所は沢。あんなに気を付けたのに道中3度程滑ったので全身どろどろ。
思い切ってレインウェアと靴を身に付けたまま沢でザブザブ洗いました。
さあ、山小屋の入り口は、と見渡すと山小屋は沢の反対側。
沢登りをしてきた人は沢の中を通ってショートカットしてますが、一般登山者は梯子を登り、吊り橋を渡るようです。

この生まれたばかりの小鹿のような足で梯子と吊り橋……!?

DSC_0053
地味に高度感のあるつり橋。とにかく自分が信用できなくて一歩一歩慎重に歩きました。
髪はびしょびしょ、心身の疲れで目は虚ろ。延長戦は酷い姿でゴールですw

2、傾く山小屋、薬師沢小屋

DSC00892
さて、なんとかCT通り薬師沢小屋に到着です。

DSC00891
水は沢水で豊富。入口に冷やされたジュースたちがとても美味しそうでした。

DSC00883
しかし、一歩小屋に入ると薄暗くて湿っぽくて年期の入った感じ。

…ああ、これはやっちゃったかな?
お布団は、予約した人は一人一枚、予約なしは状況によって二人で一枚になるかもと言われました。
雲ノ平山荘は二人で一枚と言っていたので、混雑度はマシなようです。

DSC00886
部屋は2階。「最後の急登」との案内ですが、小屋内にロープ場とは珍しい。

DSC00881
……ん??
階段を登るとなんかおかしい。特に、折り返した所では勢いよく転びそうになる感覚。

DSC00889
自分の場所は大部屋の一角でした。
ここも女子は固める方針で、出来あがる女子スペース。
とりあえずザックを下ろし乾燥室にレインウェアを持っていこうと一階へ向かいます。

DSC00882
2階の廊下。
……うん、やっぱりそうだ。この小屋に入ってからの違和感。ここ傾いてる。

DSC00884
後から知ったのですが、実はこの薬師沢小屋、建物全体が5度傾いています。
玄関の表示によると、あと5度傾いたらdanger☆

DSC00890
5度の傾きってどんなもんかというと結構すごい。
見た目で分かるほど、左にがっつり傾いています。ビー玉はないけど水筒は転がる。
傾いてるから蝶番式のドアは勝手に閉まる自動ドアになってるし、階段は歪みも合わさって気持ち悪い違和感を味わえます。

DSC00879
これは予想外に面白い小屋に来てしまったと思いつつ部屋へ。
布団に持たれつつのんびり休んでいるとお隣に単独女子がやってきました。
彼女曰く「傾いてる山小屋と聞いて泊まってみたかったんだよね」
"泊まってたら傾いていた"ではなくなく、"傾いてるから泊まりたい"と、ここに来た理由が上級者すぎる方でした。
蒸し蒸しするので窓を開けようとすると開かない。
あ!歪んでるから開かないんだねー!と思わず一緒に爆笑。

そんな小屋ですが、布団も建物もとても清潔です。
心配していたトイレも、オカラを使用したバイオトイレを導入しており無臭。
今まで色んなトイレに入ったけど文句なしの最高ランクでした。
来た時はやってしまったと思ったけど、ここ穴場です。すごく落ち着ける。

さて、夕食にはまだ早い。布団を敷いて寝るには中途半端。
お近くの女子で集まって女子会が始まりました。畳の上につまみを広げてまるで学生の飲み会w

そして夕食の時間は、自分は自炊室へ。
小さな自炊室ですが、蛇口完備です。料理するのに水を汲みにいかなくていいのって恵まれてる!
自炊室では、自分と同じく旅が終わる方もいるし、これから旅が始まる方もいる。沢登を楽しむ方や、雨なのに黒部の上ノ廊下を登ってきたという冒険者な方もいる。
これまた、おもしろい山小屋でした。

DSC00885
夜は談話室として解放された食堂で、お向かいさんに誘われて飲み会。
自分は計画を固めてから山に行くことが多いですが、話を聞いてて、のんびり気の向くままに山を楽しむのもいいなぁと憧れました。

DSC00887
樹林帯に囲まれ、側まで来ないと姿さえ見えない薬師沢小屋。
山の隙間に沈んでるような立地で、日の出も日の入も見えない山小屋だけど、温かい雰囲気で満ちた素敵な山小屋でした。
本当にこの小屋で旅の最後の日を迎えられて良かったです。
そして、これから旅が始まる人の話を聞いてると旅が終わるのがちょっと寂しくなったり。


3、太郎平への登り返し

DSC00888
さて、いよいよ旅の最終日。
二階のテラスから旅立つ人を見送りつつ、自分はのんびり。
仲間が4時に雲ノ平を出発するはずなので、7時ぐらいに合流かな。

DSC00895
最終日は晴れ。
無事雨の中のテン泊を乗りきった仲間と合流し、気持ちよく木道を歩いていきます。

DSC00896
途中、3つ大きな橋を渡ります。
増水すると渡れなくなることがあると聞いてたので、穏やかそうな沢の流れにホッとしました。

DSC00898
太陽に照らされた緑が鮮やかで清々しい。

DSC00899
トリカブトが彩りを添えてました。

DSC00901
太郎平の稜線も近づいてきた。

DSC00904
ぐいーっと登って……

DSC00907
よし!太郎平小屋が見えた!
下ってからの登り返しだったら辛かっただろうけど、登りだけだったので楽しく上がれました。
昨日薬師沢まで下ってよかった!

DSC00908
最後の最後にプチアップダウン。

DSC00912
そして、始まりの地、太郎平に戻ってきました。

DSC00911
薬師さんもただいまー!

4、旅の終わり

DSC00915
今回の旅路、太郎平を起点にたくさんまわりました。

折立周回
最後に晴れてくれたので、登ってきた山も一望できました。
ぐるーっと回ってきたと思うと感慨深い。辛いこともあったけど、とにかく山と向かい合った楽しい4日間だった。

DSC00921
山々に別れを告げて太郎平を後にします。
ここを降りるともう振り返っても歩いた山々は見えない。

DSC00922
晴れの中の下山。初日には見えなかった有峰ダムが見えました。

DSC00923
そして折立に戻ってきました。
折立では雲ノ平からの道中と薬師沢小屋でお話しした方とまさかの再会。
一緒に、無事下山できたことを喜びました。


3泊4日雲ノ平周回。
個性豊かな山々、隔絶された山奥の雰囲気、人との出逢いと、本当にいい山域でした。
次に来た時は、気の向くままにのんびり過ごしにきたいと思いました。