屋久島の百名山、宮之浦岳(1936m)に登ってきました。
ピストンで日帰り可能ですが、せっかくなので、一泊して淀川登山口から屋久島三岳(黒味岳、宮之浦岳、永田岳)を巡り、縄文杉、白谷雲水峡を辿る黄金コースで歩いてきました。


☆登山をしてなかった頃、荒川登山口~縄文杉~白谷雲水峡を歩いた時の記録はこちら
※繁忙期は小屋到着が遅れると入れないことがあるため、早めの到着かテン泊の準備があった方が良いそうです。

<コースタイム>
●1日目
5:45淀川登山口=6:19淀川小屋=7:36花之江河=7:50黒味岳分かれ=8:22黒味岳=8:42黒味岳分かれ=09:07投石平=10:21栗生岳=10:53宮之浦岳12:00=12:47永田岳=15:15新高塚小屋
●2日目
5:10新高塚小屋=5:57高塚小屋=6:03縄文杉6:50=7:36ウィルソン株=09:00楠川分れ=10:04辻峠(太鼓岩往復)10:51=12:20白谷雲水峡

淀川登山口へのアクセス

宮之浦縦走で最もポピュラーな淀川登山口~白谷雲水峡。
このコースを歩く場合、淀川登山口起点の方が圧倒的に標高が高いため、こちらから登る方が多いようです。

そんな淀川登山口に、公共交通機関でアクセスする場合、 
  1. 紀元杉まで路線バスに乗り、一時間程歩いて淀川小屋に泊まる(二泊三日) 
  2. タクシーで淀川登山口に行く
 と、2つの方法があります。

今回は屋久島到着時刻的にバスに乗れなかったのでタクシーで行きました。
タクシーは最も早い送迎が4時ですが早朝料金がかかります。
そこで、早朝料金がかからないという5時に宿に迎えに来てもらいました。
安房~淀川登山口で5800円程度でした。

運ちゃん曰く4月10日位までは日本人は少ないらしい。
うたた寝と覚醒を繰り返すこと50分、淀川登山口に到着です。
淀川登山口は水洗トイレあり。協力金2000円を支払い、旅のスタートです。

※ここから宮之浦岳まで写真をポカしたので、途中ご一緒した登山客さんに頂きました。
ありがとうございました…(;▽;)!

絶景の黒味岳へ

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登山開始。まずは第一ポイント、淀川小屋を目指し、森の中を進みます。
体を温めるのはちょうどよい緩やかな道のり。

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あっという間に淀川小屋に到着です。前入りする場合はここで宿泊します。
宿泊者さんによると昨晩はヒメネズミが走り回ってて煩かったらしい。
屋久島はネズミが出ると聞いて嫌だなぁと思ってたのですが、はつかネズミみたいな感じと聞いてちょっとほっとしました。

まだまだ森が続きます。モミとツガの森は、春の朝と言うことで、鳥の囀りが響き渡っていました。
ホーホケキョ、ピヨピヨピヨ…と鳥の会話を聞きながら、標高を上げてきます。
基本展望はないのですが、途中、黒味岳方面を見渡せる展望所と、高盤岳展望台があります。
高盤台展望台からは、山頂に切れ目の入った豆腐が置いてある!ということで、有名なトーフ岩が見れます。

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開けた場所に出たと思うと小花ノ江河。日本最南端の高層湿原だそうです。

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少し上がって花ノ江河。こちらの方は広いです。
高原地図によると泥炭層湿原らしい。
すっかり春というか初夏の香りさえする屋久島ですが、この辺りは霜が下りていました。

再び森に戻り、標高を上げると黒味岳別れです。
完全に寄り道で、高原地図だと往復80分ですが、晴れなら絶対に外せない

荷物をデポすれば1時間でいけると飛び出しましたが、岩がゴロゴロで歩きにくい。
特に花崗岩の一枚岩の斜面を横切る所とか、短距離なのに滑る滑る!
そしてロープ場。情報誌を見てるとロープを頼って腕の力で上がることを推奨していて、登山客としてここは頼らずに登ろうと思ってたのですが、目の前に聳える花崗岩の一枚岩…。
速攻開きなおって腕で力で登ってきましたw

そんなこんなで、山頂に着くころには結構ほっとしたもんでした。

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黒味岳山頂!
屋久島の山の上には巨大な花崗岩がゴロゴロしているのですが、表面に白い正長石が見られるちょっと変わった花崗岩です。これが斜めだとなんだか登りにくいんですよね…。

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黒味岳の山頂の岩は包丁で切ったかのように90度で切れ落ちているので、そこに腰かけて景色を楽しみました。
360度の展望で、数々の山々、転がる奇石に目を引かれます。
そして何よりかっこいい、今日の目標、永田岳(左)と宮之浦岳(右)。
今から登りに行くと思うと非常に楽しみです。

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そして何が感動って、360度山々が連なった深い山並みの中心にいるのに、少し目線を上げると海に囲まれている様子が見えることです。
今まで深い森の中にいたのに、ここにきて島にいることを思い出す、まさにそんな感じでした。

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光輝く海面。
ちなみに黒味や宮之浦等は、集落から見えないので奥岳と言われています。
つまりこちらからも、集落は全く見えないわけで…。
海に浮かぶアルプス…洋上アルプスと言われるのも納得の景色でした。

ガスの宮之浦岳、永田岳

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宣言通り1時間以内に戻ってきて、再び出発です。少しずつ植生が変化してきました。
後から地元の方から聞いた所によると、6月にはシャクナゲが咲き乱れ美しいそうです。

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投石湿原。登山道を清らかな水が流れていて癒されました。

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そして巨石がごろごろした投石平。
巨大な投石岩屋を越えるといよいよ森林限界を越えて稜線歩きになります。

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一面笹が茂る山並みをどこまでも続く木道。あー、幸せ!
5匹ぐらいのヤクシカが笹を一生懸命食べていました。

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巨石がゴロゴロしているのに、それを青々としたササとシャクナゲが覆っていて、大らかで優しい印象を受ける山並みです。
縄文杉を見に行った時には、その先にこんな美しい景色が広がっているなんて思わなかった!

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宮之浦岳までは、投石岳、安房岳、翁岳、栗生岳と4つの山が連なっているのですが、前3つは山頂を捲くのでらくちんです♪

風もなく初夏のような爽やか(というかやや暑い)道中。
水場が豊富なので、見付けるたびにペットボトルに水を足しながら進みます。
500mlペット1本あれば水飲み放題みたいな感じで屋久島すごい。そして美味しい…!

大きな丸い岩が並ぶ栗生岳を越えるといよいよ最後の登り。
汗を流しながら一歩一歩登って…

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宮ノ浦岳登頂!!
2年半前、屋久島旅行がきっかけで山を知りました。
屋久島に戻ってきて、その最高峰を頂きました。ガスっちゃったけど気にしない!

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さあ、最後は永田岳に登りに行きます。
コースタイムは往復2時間10分。寄り道するには長いですが、多分巻けるはず!
完全にガスってる?登ることに意味がある!

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水場で水分を補給して、必死に登ります。ペース上げているのもあって、正直かなり辛かった。
ガスって静寂に包まれた中、なんでこんなことしてるんだろうと思いつつ足を動かす。

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この足場、壊れてるのかと思ったらしっかり固定されてました。
確かに帰りに歩いたら違和感がなかったです。

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岩の塊が見えてきました。やっと山頂…!

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山頂付近は踏み跡が途中で分かれてましたが、岩の裏まで回り込まず、途中の平べったい石を左に曲がると丸い巨石にロープが垂れています。

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永田岳山頂!屋久島三岳を訪れることができました。

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そしてご褒美のように、宮之浦岳が姿を見せてくれて、ちょっと泣きそうになった。

新高塚小屋に泊まり、朝焼けの縄文杉へ

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焼野三叉路まで戻ったら、後は本日の宿、新高塚小屋を目指します。
あいかわらずピークは巻く感じで緩やかな稜線歩き。

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あー、きもちいいなーっと思ってると、何か視線が…

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サングラスを掛けたゴリラが私を見つめてる…

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平石に到着です。

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巨大でまんまるの平石岩屋がありました。
こういうところに泊まるのもなんか憧れるなぁ…。

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祠がありました。屋久島では岳参りと山に登る伝統があるらしい。

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標高によって植生が大きく変わる屋久島。
下の方は、様々な木々が混じり、まだら模様を作っていました。

平石付近を越えると再び森に入り、展望はなくなります。
少々雪は残っていましたが、暑さでぐずぐずに腐ってたので問題なしです。

黙々と歩いていくと宮之浦岳でお会いしたお父さんとお子さんに再会。
ご一緒させていただき、楽しい道中になりました。

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新高塚小屋。この日はやはり人が少ないようで、10人ちょっとの利用でした。
奥に1時間行ったところに、ここより新しい高塚小屋があるのですが、縄文杉ツアーの団体がいて入れないとかになったら嫌だなぁと思って、今日はここまでにして、ゆっくり食事をとって眠りました。

この日は温かく、夏用シュラフ、夏用シャツ、フリース、夏用ダウン(上)と長ズボンだけで普通に眠れるぐらいでした。9月の劔岳の方がよっぽど寒かった…。

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朝、5時に小屋を出発。縄文杉の朝焼けを目指します。
木々の間からは雲海が見えました。島でも雲海ができるんですね。

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下って下って6時過ぎ。縄文杉との再会です。
人数も少なかったのもあって、他の登山客さんと談笑しつつ、テラスでゆったりと朝焼けを待ちます。

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少しずつ、朝日に色づいていく縄文杉。
海の近くに霧が出てたため真っ赤にはなりませんでしたが、少しずつ色が変わっていく様子には見惚れるばかり。日を浴びるたびに生命力を増しているような感じがする。

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黄金色に輝く縄文杉。
なんだかんだ40分間も縄文杉と過ごしました。
ありがとう縄文杉。いつまでもお元気で。

太鼓岩から春の屋久島を眺める

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縄文杉を眺めたら白谷雲水峡に向け出発です。
ここからは、荒川登山口から続く縄文杉トレッキングのルートなんで、遊歩道かというレベルで整備されています。

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夫婦杉や大王杉、おいしいおいしい水…。色々、見どころがあると楽しいですね。

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道はひたすら木道と階段。前に来た時よりもさらに増えている気がします。
ちょっと階段に飽きて、ウィルソン株手前で自然観察路の分岐に入ったら、なかなか落ち葉だらけで、ちょっぴり後悔しました。

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ウィルソン株。15人ぐらい入れそうな大きな大きな切り株です。

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切り株の中には祠。

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嬉しいことに貸し切りだったので、こだわりまくっていい場所を見付けました。
入ってすぐ右のところでかがむといい感じです。
ウィルソンハート。きれいな形に撮れました。

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2010年に倒壊してしまったという翁杉。
今日見た杉たちもいつまでその姿を見られるのだろうとか考えちゃいます…。

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沢沿いに歩くと大株歩道入り口に到着です。
ここは荒川登山口かた歩くとトロッコ道から解放され、縄文杉から歩くと山道の終わりなので、ほっとする場所です。

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奥には2回建ての立派なトイレがあります。
ちょっと仕組みが変わっていて、和式便器の中を常に水が勢いよく流れています。

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木々の間からは遠くに翁岳。昨日のお昼はあそこを歩いてたんだよなぁ…

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そして屋久島名物、トロッコ道。
平坦だけど荒川登山口まで片道160分!体力的には楽ですが精神的にとにかく辛い道。
一人では歩きたくない道ナンバーワンです。

もちろん最後までは歩きたくないので、今回も楠川分れまで70分だけ歩きます。
特に今回は片道なのに、それでも長く長く感じます…。
体力あるなら縄文杉ピストンより雲水峡抜けがほんとお勧め。

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やっと楠川分れに到着です。久々の登山道が嬉しい。
一歩踏み入ると木々や岩など至る所が苔むしており、がらっと景色が変わります。
ただ、ここから辻峠までは登り返し。
しかも徐々にきつくなっていくので地味に辛い所でもあります。

再び会ったお子さんも流石に気持ち的に疲れたみたい。一緒に登ってやっと辻峠に到着。
ザックをデポし、さらに10分の急登に耐え、太鼓岩を目指します。

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木々の間を抜け、大きな岩の上に立つと一気に開ける視界!屋久杉の森を一望できます。
「太鼓岩からの桜」というキーワードを見かけてどうしても来たかった。
黄緑は新緑、桃色は山桜。この複雑な模様は春だけの景色。
そして奥には宮之浦岳の姿も見えます。あー、もう満足だ。

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視線を左にずらすと、山頂にひょっこりとしたものが…

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太忠岳の天柱岩だそうです。この距離で目視できるって大きすぎます。
今回は行かないつもりだったのですが、色々あって5日後に結局登ることになるのでした。

2年半前に感動した太鼓岩からの景色。再び美しい姿を見せてくれました。

緑輝く白谷雲水峡

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さあ、ここからは下るのみ。のんびり「もののけの森」のハイキングです。
新緑が青々しくて美しい…。光を浴びてキラキラと輝いています。
初夏の日差しって生命力にあふれている感じがして好き。

のんびり下っていると、昨日お会いしたお姉さん達と遭遇。
これまた偶然会ったらしい元ガイドのおじいちゃんと一緒に歩いてたので自分もご一緒させていただきました。

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くぐり杉。おじいちゃん曰く、こちらと向こうで雰囲気が変わるらしい。

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表側。確かに雰囲気が違う。絞め殺しのアコウの木が巻き付いています。

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そして、よく本で紹介されてる渡渉ポイント。
木々の間からの光と沢に反射する光で眩しいぐらい。
本当に天候に恵まれた2日間でした。

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新緑と苔と沢の流れ。この雰囲気がいいよね。

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そんな中、吊り橋が見えるとゴールって感じがします。

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飛竜落としの滝。ここのところ連日晴れなので、非常に控え目でした。

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大きな大きな憩いの大岩。前回、道が分からなくて一瞬焦ったところ。

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そして、無事下山してきました。


宮之浦縦走。二日間、天候にも恵まれ最高の旅でした。
なにより深い森のその先に、一面に広がる青々とした山並み、海に囲まれた景色が広がっているなんて、2年半前は想像もしていませんでした。

そして、半分ほどの行程をご一緒させていただいたお父さんとお子さん、一緒に下山したテントのおねーさん、ご年配の夫婦の方、ガイドさん…、一言二言のこともあるけど、いろいろな方と言葉を交わしました。山での出会いって本当に面白い。おかげさまで楽しい旅路になりました。