奥秩父の真ん中に聳える甲武信ヶ岳(2475m)。
登山を始めて早々に名前を知った山ですが、地味に辛いと聞くし、「こぶし」と強そうな名前から、なんとなく行けずじまいの山でした。

そんな夏の最終土日、無理なく日帰りができるルートがあるということで、毛木平からのピストンをしてきました。
このルートは、千曲川(信濃川)を源流まで遡る沢沿いのルートです。
ただ、短いルートといってもここは奥秩父。稜線に出るまでが長いし、稜線に出ても展望に恵まれるのはわずかな区間です。樹林帯を楽しもうという気持ちで出掛けるのがおすすめです。

<コースタイム>
毛木平06:49=07:21大山衹神社=08:36なめ滝=10:05千曲川・信濃川水源地標10:06=11:19甲武信ヶ岳=11:33甲武信小屋12:38=12:54甲武信ヶ岳12:57=13:25千曲川・信濃川水源地標=14:35なめ滝=15:27大山衹神社=15:51毛木平

久々の奥秩父。一面のレタス畑の間を抜けた先に毛木平の駐車場があります。
車中泊をし、ふと目を覚ますと、駐車場でマットと寝袋を広げて野宿している仲間たち。
星を見てたらしいですが、駐車場で寝るとか冷静に考えるとどうなんだw

土曜日だというのに、夏に秩父に来るもの好きは少ないのか駐車場は余裕な感じでした。

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駐車場の奥のゲートから登山開始です。標高差はだいたい1000m。
しばらく、よく整備された砂利道を歩きます。

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じめじめしているのか、地面と岩の境目が分からないぐらいに苔生していました。

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「千曲川源流遊歩道」と言われるこのルート。
少し行くと沢にぶつかり、あとは源流までずっと沢沿いを歩くことになります。

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水量をコントロールするやつ。昔は何も知らなくて用水路のハンドルを回しまくってた…。
絶対ハンドルを見たら回したくなる人もいるよなぁと思ったら、なんと鍵がかかっていました。

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神社。

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向かい側では可愛らしいお地蔵さまが登山者を見守ってます。
この時は沢が新鮮で、「きれい!」と、きゃっきゃしてました。

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沢沿いではありますが、沢からやや離れて進む登山道。
曇りの渓谷という、どんよりした雰囲気の樹林帯です。
新緑は通り過ぎ、紅葉には早い夏の樹林帯です。

……飽きた…

ほぼ変わらない景色の中、黙々と歩いてましたが、ついに耐え切れなくなって禁断のしりとりが始まりました。
真っ白な表銀座でさえしりとりせずに歩いたのになぁ…。
しりとりの時間忘れ効果は絶大ですが、登山自体に目が向かなくなるのが難点。

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1時間半程で本日メインディッシュの一つ、ナメ滝に到着です。
名前の通り、巨大な一枚岩の上を滑るように水が流れ落ちています。

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滑らかに下っていく水はまるで生きているみたいで面白い。

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この辺りから本当の意味で沢沿いになるので、苔々してきました。

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登山道を横切るように流れる、千徳水と書かれた流れ。
岩でなく石の間を流れており、ミニチュアっぽくてかわいい。

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古い橋と新しい橋、あなたはどっち?
何度か沢を横切る箇所があって変化が嬉しい。

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こんな感じで道のすぐ横を沢が流れています。

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水の中も苔むしており、沢が緑色に見えるのが珍しいなと思いました。

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沢を離れると途端に辛くなります。しりとりが止まりません(笑

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天気のせいか北側を通る道のせいか常時薄暗いので、たまに光が入ると感動です。

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沢を歩く場所まで来たら源流まであと少し。

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苔むした小径を進むと開けた場所に出ます。

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といわけで信濃川水源地!
遊歩道の名の通り、ここまで約3時間、緩やかな樹林帯をだらだら歩いた、という感じでした。
800m上がってるそうだけど全くその実感がない。

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日本一長い川の源流は、青いコップが目印です。

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足元にくぼみがあります。

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このくぼみの中で水が滾々と湧いていました。
いわゆる水場を想像していたので、川から直接掬って飲むというのに戸惑う。
しかし、付けた手が痛くなるほどに冷えた湧水は、思わずおかわりするほどの美味しさでした。

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そして、源流ということで、ここで沢とはお別れ。
いままでのだらだら登りとうって変わって樹林帯の急坂になります。

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30分程で稜線に出ますが稜線も樹林帯です。さすが奥秩父!

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泥濘に動物の足跡。

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最後の最後に急坂を登ると急に展望が開け、ガレ場になります。

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奥秩父の真ん中だけあって山深い…。
稜線のどこにも登山道が見えないもんね、樹林帯が続くはずだ。

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というわけで、甲武信岳登頂です。
個人的なことを言うと、日本百名山25座目で4分の1記念!

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展望が開けているのは本当に山頂だけです。
お昼休憩のため、小屋に向かいますが、早々に樹林帯にただいまするはめになりました。

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甲武信小屋。古そうな小屋ですがトイレは水洗でぴっかぴかです。
山小屋の方も気の良い方々で個人的には好きな雰囲気。

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こいのぼりとこぶしごやの関係とは…。

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そして、今回の山行で一番きゅんときたのが、山小屋のこの標識です。

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お昼を終え、山小屋右の扉を開いて捲き道へ。

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樹林帯、のち急登。

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ちなみに捲き道といっても三宝山へ周回しない場合は再び山頂を踏むことになります。
ただいま、甲武信岳。そういえば、甲武信ヶ岳からは、どこよりも多く百名山が見えるそうです。

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山頂からは同じ道を戻ります。
登頂したことで余裕も出てきて、次の山行の計画(願望)が止まりません。

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ナメ滝で足を水につけて休憩。気持ちいというか痛かったですw

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この時間になり、光が射しこむようになっていい感じでした。

ナメ滝を越えるともう休憩スポットはありません。
変わらない景色に「そろそろ終わりな気がする」「あ!鳥居(幻覚)」といようなやり取りを繰り返してました。
「(登山口近くは)黄色の花が咲いてたでしょ」という仲間の言葉にそうだった、と落胆。

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やっと黄色の花畑に到着しました。短いルートといいつつも長かったように感じます。
流石甲武信さん、舐めてはいけません。



沢に苔、滝、美味しい水とそれなりに見どころはあったはずなのに、下山後に残った印象は「樹林帯長い」だった甲武信岳。「さくっと登山」と舐めてかかったのが良くなかったのか、曇りが良くなかったのか…。
季節問わず樹林帯が好きだ、沢さえあればなんでもいいという方以外は、樹林帯が輝く季節、春か秋に登ると楽しめていいんじゃないでしょうか。
自分としては、次来るときは長距離を求めて縦走しに来ようと思いました。