初めての南アルプスは曇りと雨の山旅でした。
<コースタイム>
【1日目】06:43広河原インフォメーションセンター=07:11白根御池分岐=09:51白根御池小屋10:19=12:17草すべり分岐=12:47小太郎尾根分岐13:07=13:45北岳肩ノ小屋14:231=14:38両俣分岐=15:09北岳15:25=15:54北岳肩ノ小屋泊
【2日目】6:26肩ノ小屋=06:47小太郎尾根分岐=06:57草すべり分岐=08:43白根御池小屋09:14=10:41白根御池分岐=11:09広河原インフォメーションセンター
9月のある日。突然仲間からシルバーウィークに北岳に行かないかというお誘いが。
休みはゲーム消化に当てる予定だった私。北岳かペ ルソナか散々悩み、せっかくなので登ることに。
仕事場から直接向かうため、ザックで出勤です。
見つからないように1時間早く出勤したのに、退勤時に玄関で見つかるという悲しいハプニングがありましたが、無事仲間と合流し甲府で前泊。翌朝4時半、車で芦安駐車場に向かいます。
5時半発の広河原行きのバスは満員でしたが、出口のステップの所に座って良いとのことなので、なんだかんだ結構快適でした。
広河原インフォメーションセンターに着くと天気予報が良くないのに人がいっぱい!
男子トイレが長蛇の列と、あまり見ない現象が起こっていました。
男の人が多い山域なんでしょうか。
建物もきれいですが、トイレも水洗で清潔でした。
広河原よりこれから登る北岳を拝む。
まずはネットでよく見る吊り橋を渡ります。初めての南アルプスにどきどき。
水の流れる音を聞きながら気持ちのよい樹林帯を進みます。なだらかで体に優しい。
天気が思ったより良くペースもいい感じなので、右俣ルートから白根御池ルートに変更。
ソフトクリームが待ってると思うとやる気がでます。
木の階段をいくつか越えると急登が続きます。最初の頑張りどころ。
小屋まではベンチが2つあり、標識に第2ベンチまでの時間が手書きしてあります。
しかし、第2ベンチに着いてもそれを表す案内はない。なぜ…。
少し展望が開けた箇所も。鳳凰三山の山並み。
苔生す岩の上を水が流れ、癒されます。
白根御池小屋に到着。見た目の通り凄く綺麗な小屋です。
トイレもいわゆる普通の水洗トイレで驚きました。
ここには水場があり、南アルプスの水が飲み放題です。
白根尾池と言ったら桃のソフトクリーム。さっぱりしてて美味しい!
崩れかけた標識の後ろには……
白根御池。とても濁ってます……。
ここから約3時間、草すべりと言われる場所になります。
ガイドに体力しかないと書かれるだけあって、しょっぱなから写真中央黄緑の箇所を直登。
殆どの花が旬を過ぎてましたがいくつかの花を見ることができました。
三つ子のトリカブトには思わずにっこり。
振り返ると御池が見えます。大分登ってきましたがまだまだ続きます。
約40分後。道の雰囲気は変わり、樹林帯の中へ。岩がゴロゴロし始める。
木が横向きに生えていて面白い。葉が色づき始め、秋の訪れを感じます。
オベリスクが見えました。
開けた場所に出て、稜線も見えてきました。
右俣との分岐点。標識が今にも倒れそう。
階段を登りきればいよいよ稜線。
ガスと風が出てきましたが小太郎分岐。やっとつらい登りも終わりです。
ハイマツの下をよく見るとホシガラスに会えました。
ここからは稜線歩き。稜線に出るといつもガスってる気がする…;
多少登る箇所がありますが、草すべりに比べたら何てこともない。
北岳の肩に到着。記念すべき3000 m!
肩の小屋は山小屋って感じです。ストーブの回りでは登山客が暖をとっています。
衣服を干す場所と更衣スペースも。
もっとも更衣スペースの方は殆ど利用されてない感じでしたが。
はしごで2階へ。
屋根裏部屋みたいな感じで、布団が敷き詰めらています。まさしく雑魚寝。
毛布は一人5枚。一人布団1つ分のスペースは確保はれていました。
自分の場所に荷物を置いて山頂に向かいます。風が冷たい。
昆布みたいな植物。
岩稜を登ります。やたら息が切れるのは疲れか空気の薄さか。
眉間の辺りに違和感を覚えて慌てて深呼吸。高山病になりませんように。
北岳山頂。屋久島で山登りの魅力を知って1年、ついにここまで来ました。
岩の間に花がひっそりと咲いていました。
日本一高い所から見る富士山。いやぁー見事な富士山だなぁー!
肩の小屋に戻ります。真っ白だろうと登頂できた喜びから気分は高揚。
ガスが流れて一瞬山肌が。美しい色合いに感動。
肩の小屋に到着。テントもカラフルで見ていると楽しい気分になります。
肩の小屋の入り口。こういう謎の装飾は嫌いじゃない。
夕食まで一時間。
おしるこを注文してのんびり過ごします。おでんも美味しそうでした。
夕食はピリ辛の南蛮風の魚と肉シュウマイ。5時に一斉に食事です。
10分後には殆どの人が食べ終わり、5時半の回の食事の準備が始まります。
嵐のような食事でした。
食事を終え荷物の整理をしていると、食前から感じていた眉間の違和感に気だるさが加わってきました。
山頂は平気で、そこから比べたら高度も下がっているのになぁ…。
横になるとだるさが強くなるので、使わない毛布で上半身を上げて少し寝ます。
約1時間半後の7時半、消灯前最後のトイレへ。トイレが戸外にあるのでランプをもっていきます。
1階では登山者が思い思いに過ごし賑やかでした。イメージを描いたような山小屋です。
トイレから戻ってくると眉間の違和感がはっきり頭痛に進化してくれたので鎮痛剤を飲み、音楽を聴きながら痛みをごまかす。そのうち寝落ちて5時間近く連続して寝られました。
深夜に目が覚めると頭痛はスッキリ。鎮痛剤はもはや必需品です。
雑魚寝しているだけあって、いたるところからイビキが聞こえ会話しているみたいです。
100均の耳栓をしてみると、無音とまでは行きませんがずいぶん静かになりました。
4時頃には電気が付き、賑かに。5時になると先着順に朝食。
2回目でいいやとのんびりしてたら「食事がお済みでないかたー」と急かされました。
朝食は鮭と卵。カリカリ梅食べ放題はポイントが高い。
6時半。雨装備で出発。
霧雨で真っ白でしたが一瞬ガスが薄くなりました。
次第に風がやみ、霧が落ち着くと小太郎山分岐。
昨日見れなかった風景がぼんやり。思わず見とれます。
昨日傾いてた標識は倒れていました。
樹林帯の中に入ると雨が降ってきました。草すべりを早めにおり、御池小屋で雨宿り。
暖かい飲み物とソーセージが身に染みます。
しかし、雨が弱まるばかりか強くなるので覚悟して下山再開。
小屋周辺は道が平らな箇所があるので、水たまりだらけです。
また、登山道に沿って水が流れ、下に行くほど水量が増加するため、神経を使います。
無事下山し乗り合いタクシーで駐車場に戻りました。
日帰り温泉でさっぱりしたら肩の小屋の弁当。
サツマイモの甘露煮がほろほろでおいしかったです。
展望は残念でしたが、紅葉の気配が感じられたいい旅でした。
草すべりの急登は登っている間は辛かったですが、大倉尾根如く、ふとまた登りたくなりそうな気配があります。
白馬の記事でアルプスはまた来年とか言いながら、1ヶ月後に南アルプスに登るというなんとも言えない感じでしたが、やっぱりアルプスは楽しい!いっそ中央アルプスも行って制覇しておきたいぐらいです。